出生前診断の告知のあり方と 自己決定の支援について考える 泣いて笑って
          


 広義の出生前診断の告知のあり方と 自己決定の支援について考えています。
 妊娠継続か否か。そのどちらの決断であっても、私達は敬意を表します。

出生前診断の告知のあり方と 
自己決定の支援について考える
  “泣いて笑って”

代表 藤本佳代子
 
お問い合わせはこちらへ  

         

・ TOPページ ・ 医療関係者の皆様へ ・ 各症例について ・ 人工死産体験談 ・ 妊娠継続体験談 ・ コミュニティに参加しませんか ・ 胎児の緩和ケア・ 赤ちゃんとお別れされるご両親へ ・ 次の妊娠への不安と期待
・ 研究協力 ・ リンク集 ・ 活動にご協力ください

【泣いて笑って】自己紹介
泣いて笑って代表の藤本について
1998年5月2日(妊娠21週4日)細菌感染による前期破水により,第1子を人工死産。現在,2000年生まれの長男を筆頭に4人の息子の母親。2008年よりシングルマザー。2010年4月大学入学。医療機関で働きながら社会人学生として臨床福祉と心理学を学び,2014年3月大学卒業。2015年3月社会福祉士国家試験合格。

当サイト立ち上げ当時は「ただ自分と同じ体験をした人と交流したい」という思いのみでしたが、母体側の要因ではなく『胎児異常』で決断を迫られる方から予想以上に多くのメールをいただくようになり、以下のようにサイト運営の形を変更していきました。

2004年7月: 【泣いて笑って】開設
2007年8月:【人工死産経験者のためのコミュニティサイト 泣いて笑って】としてリニューアル
2009年1月:【出生前診断の告知のあり方と自己決定の支援を考える 泣いて笑って】としてリニューアル


一般に安定期といわれる妊娠5ヶ月に入る直前の出血が止まらず、切迫流産で入院になりました。そしてその1ヵ月後「羊水過少かも」と診断されて大きな病院へ転院。検査の結果「前期破水」と診断され赤ちゃんの肺低形成などの理由からお空に還しました。前期破水の原因は細菌感染によるものです。そして流産・死産ではなく「人工死産(中期中絶)」の選択を突きつけられました。 このときの人工死産体験をまとめたページはこちらから



赤ちゃんの先天的異常は、全体の4%に見つかるとされています。その原因として、染色体異常(25%)、単一の遺伝子の異常(20%)、母子感染や放射線被曝などの環境(5%)で、あとの50%は原因が特定できない「多因子遺伝」であるとされています。非侵襲的な検査として話題になった新出生前診断(NIPT)でわかるのは染色体異常(25%)の中の一部である21トリソミー、18トリソミー、13トリソミーのみです。陰性であった場合の精度は99%で、もし陽性であった場合は羊水検査を受ける必要があります。つまり、NIPTは確定診断ではありません。
これらの染色体異常がわかったその結果、人工死産を選択するご夫婦の思いは、それぞれだと思います。当サイトでは【広義の出生前診断】と謳っており【狭義の出生前診断】であるNIPTとは立場が異なります。ただし、以前のように「超音波検査が出生前診断になるとは思わなかった。」というのは、もうなじまなくなりつつあるのではないかと感じます。妊娠・出産にあたってご夫婦は覚悟が必要だということです。しかし、ご夫婦が持つ知識はいくら自分たちで勉強しても医師から説明を受けても、自己決定には十分ではありません。自己決定には限界があり、自己決定という名の下に全て自分たちで決めなければならないということではないと考えます。NIPTには遺伝カウンセリングを受けることが条件として挙げられていますが、今、その現場では遺伝カウンセリング側にとってもご夫婦側にとっても納得のいくものなのでしょうか。一般に行われる超音波検査で異常がわかった場合のカウンセリングも未だ不十分であり、今後の遺伝カウンセリングの発展と遺伝カウンセラーの活躍を強く望みます。
mixi内の承認制・非公開制コミュニティ

【泣いて笑って】(メインコミュ)


泣いて笑って~意思決定~

【泣いて笑って2】
次の妊娠を目指す方・妊娠中・育児中の方のコミュニティ


当サイトのBlog版(携帯で閲覧可能)泣いて笑ってBlog

Photo Blog「sky&sky 長崎の空

1998年9月
妊娠週数23週1日 体重451グラム 超低出生体重児(超未熟児)として生まれた姪っ子についてはこちらから
一般的な自己都合による中絶とは あえて区別させていただいています
 
不可抗力による流産・死産とは違って、生命を意図的に終了させてしまう人工死産の問題は、なかなか語られることはありませんでした。人工死産は死産ではありません。まだおなかの中で赤ちゃんは生きているにもかかわらず、苦渋の決断をするのが人工死産です。つまり重篤胎児の安楽死、または母体を救うためのやむを得ない処置であると考えています。(ただし我が国では胎児異常による人工妊娠中絶は認められていません。それにもかかわらず実際には「経済的理由」などにこじつけて行われています。)
また、パーフェクトベビーを望むがゆえの【選択的中絶】の全てを、当サイトでは許容できる状況にありません。かといって、胎児異常による人工妊娠中絶(人工死産)に関して、明確な答えを持ち合わせているわけでもありません。重要なことは当事者である赤ちゃんのご両親が、突然の告知に戸惑い、決断前も決断後も身を引き裂かれるような想いの中にいらっしゃることだと考えています。 また、当サイトは人工死産を勧めているわけでもありません。人工死産という選択の前後にショックを受け悩み苦悩するご両親に、経験者として何らかのサポートができればと願っています。【決断】は、それがどのような選択であっても、多くを考え悩み抜き出した答えであるはずです。その全ての決断に、敬意を表したいと考えます。

書籍のお知らせ
流産・死産経験者でつくるポコズママの会/編集
2007年6月1日発売
詳細はポコズママの会HP内専用ページへ
執筆者11名のうち3名は人工死産経験者です。藤本は【「二十二週」という壁】を寄稿しました




出生前診断

“泣いて笑って”では【広義】の出生前診断を指しています

“出生前診断”と聞いてイメージするものは、従来より行われている【狭義】の出生前診断である羊水検査や、2013年4月より始まり注目を集めた新出生前診断(NIPT)ではないでしょうか。しかし、“泣いて笑って”では【広義】の出生前診断を指しています。【広義】の出生前診断とは、“出産までに行われる検査や診断のこと”ですが、その中でも、妊婦健診で当たり前に行われる超音波検査のことを主に意味すると考えます。超音波検査は特に事前に説明が行われるわけでも、同意が必要なわけでもなく、ごく一般的な検査です。それに対し、【狭義】の出生前診断である羊水検査は、赤ちゃんに異常があることがわかったからその原因を調べる、あるいは、赤ちゃんが健康であるかそうではないか調べるための検査であり、その侵襲的な検査のリスクに関する説明も受け、同意し、受ける検査です。新出生前診断(NIPT)は母体血での検査であり、羊水検査とは異なり非侵襲的ではありますが、目的は異常は異常でも、赤ちゃんに染色体異常(21,18,13トリソミー)があるかどうか調べるための検査であり【狭義】の出生前診断です。NIPTは事前に説明やカウンセリングが行われ、様々な条件を満たしていないと受けられないとされています。“泣いて笑って”では、開設当時から現在まで、一般的な超音波検査により赤ちゃんの形態異常を突然告知され、ショックと戸惑いの中、精査(羊水検査を含む)され、妊娠継続か否かの決断を迫られる・迫られたという経過をたどられた方々を対象としております。
超音波画像診断技術により、妊娠中期という極めて早期の胎児診断が可能になっています。しかしこの時期の診断は、早期治療法がない深刻な状況のことも多く、赤ちゃん(胎児)のご両親も医療者も妊娠継続するか否かで悩むことも少なくありません。

また、赤ちゃんの異常ではなく、母体側に起きてしまう前期破水・子宮頚管無力症・様々な合併症などで決断を迫られるご両親もいらっしゃいます。限られた時間の中、追い立てられるように意思決定を迫られるご両親とご家族に、私達は少しでもお役に立てる事を願っています。


2008年3月30日、NT(胎児の後頸部浮腫)について日本産科婦人科学会と日本産婦人科医会初の指針がまとめられました。・西日本新聞記事をご覧になりたい方はこちら

当サイトの非公開制コミュニティ「泣いて笑って」ではNTを指摘され、その後詳しい検査をされずに人工死産なさった方のご参加はお断りしてきました。 それはNTが確定的な診断ではないからです。NTが見られても元気に生まれてくる赤ちゃんもいらっしゃいます。もし、NTを指摘されてもそれだけで決めてしまわず、より詳しく経過を見ていく必要があります。“泣いて笑って”には楽しみにしていた妊婦健診で突然NTを指摘され、戸惑い、羊水検査を受ける前に何か情報はないかとネットで検索して翻弄なさっているご両親達から多くの連絡をいただいてきました。 それだけNTと告知されること=大きなショックであることは間違いありません。

医師が積極的にこの検査の存在を妊婦に知らせる義務は無いとしながらも 偶然に異常が見つかった場合の対応については「慎重にする」・・・ということで やはりこの問題は指針が作れるほど簡単なものではなくケースバイケースであり 妊婦に与えられる情報の偏りがあってはならないこと そして倫理的・法的・社会的な問題が背景にあることなど その難しさを物語っています。

妊娠を継続した方の症例《二分脊椎・21トリソミー(ダウン症)・18トリソミー》について、新聞記事を紹介しています。いのちのコンパス
  
“泣いて笑って”の目的と活動
(会則より抜粋)

(目的)
“泣いて笑って”は、妊婦健診での超音波検査などにより、予想外の胎児異常がわかった場合の告知のあり方、自己決定までの支援、ならびにその後も支援を継続するための望ましい医療およびケアについて、医療者および当事者に対し、情報提供および提案などを行うことを目的とする。

(活動範囲)
“泣いて笑って”の活動は、非営利の組織として運営する。

(活動内容)
“泣いて笑って”は、次に掲げる種類の活動を行う。

(1) 当事者(胎児異常や母体へのリスクが切迫しているために、妊娠継続か否かを告知され決断を前にする妊婦、または既に決断し妊娠を継続する母親 あるいは 人工妊娠中絶で胎児を失った母親のことをいう、以下同じ。)が必要とする支援とは何かを知り、各医療機関および医療者に広く認知してもらうための啓蒙活動。

(2) 医療者の戸惑いや混乱を知り、より良い医療およびケアとは何かを考え、今後に繋げていくための活動。

(3) 自助グループとしての役割を維持する活動。

おなかの赤ちゃんに深刻な異常が見つかったら
その時は突然やってきます。

妊婦健診時の超音波で赤ちゃんに何らかの異常が発見された場合、更に詳しい検査を受けるかどうかの説明があるでしょう。赤ちゃんの異常が重篤であればあるほど、事態は深刻です。
また、あるいは前期破水などで赤ちゃんが正常に発育できない、つまり産まれてきても呼吸ができない・重い障害を持ってしまうだろうという告知をされた時、誰もが「一体これから先どうしたらよいかわからない」気持ちになります。
そんな時に一方的に「決断」を求められたり、あきらめるよう説得されたり、「このまま妊娠を続けたいと伝えてよいものか」と悩んだり、「ご夫婦で決めてください」と突き放された思いで悩んだり・・・・。

それでも私達は何らかの決断をしなければなりません。
なぜなら、赤ちゃん(胎児)は、本来おなか(子宮)の中で自然に成長し、母親は大切に見守るだけでよかったのに、母親の知らないところで病状が悪化することがあるからです。たとえば

・いずれ赤ちゃんはおなかの中で亡くなってしまうかもしれない(子宮内胎児死亡)。
・たとえ生まれてきても、すぐに亡くなってしまうかもしれない。
・重い障害や病気で、どれぐらい生きられるのかもわからない。

このような中で私たちは赤ちゃんの生命について深く考え、決意することになります。全て自然に委ねるのか、あるいは・・・

【妊娠継続】を選択
・胎児治療は可能か。
・出生後の治療は可能か。
・母体への影響は。

【人工妊娠中絶(人工死産)】を選択
・おなかの赤ちゃんを空に還す。

などです。

夫婦の決定を支えてくれるケア/カウンセリング


決断前の十分なカウンセリングやケアが受けられない場合、人工死産経験者であるご両親には強い罪悪感や自責感に苦しんでいらっしゃる方が多くいらっしゃいます。その反面、十分なケアを受けて医療機関のスタッフには良くしてもらったと仰る方もいます。そして私達は疑問を抱くのです。医療施設によってその【ケア】に差があってもいいのだろうか・・・?と。人工死産を決断するにしても、妊娠を継続するにしても、自己決定には正確かつ適切な情報が必要です。何よりも大切な赤ちゃんです。何よりも大切な自分自身の人生です。だからこそ、ぎりぎりのところで自分自身で決断し踏ん張るために情報が必要なのです。

もし赤ちゃん(胎児)に染色体異常・形態異常が認められた場合、遺伝カウンセリングを受けることを希望してみてください。
遺伝カウンセリングは遺伝問題だけを扱うのではありません。赤ちゃん(胎児)の異常がたとえ遺伝ではなくても、正しい情報を提供し、共に考えその決断を支えるのが遺伝カウンセリングでもあります。またはその病院で遺伝カウンセリングを標榜するところがなくても、出生前診断の後に共に考え決断を支えるケアをして欲しいと要求していいのです。
出生前診断では、ご夫婦がその時の妊娠をどうするか?という問題と赤ちゃん(胎児)の病状の原因検索、(すなわち、妊娠継続するかという問題と、赤ちゃんがどうしてそうなったか検査をするかという問題)は、それぞれ別々に考えます。
遺伝カウンセリングは患者さんの自発性を重視します。【知りたくない権利】を尊重するからです。

突然の告知を受け戸惑いと混乱の中にあっても、決断を焦ることなく、正しい情報の中で自分達はどのように考えどうしたいのか。その時間は与えられるべきなのです。

皆さんの主治医である産婦人科の医師というのはとても多忙です。そんな中、赤ちゃんに異常が発見された場合、半ば一方的な説明で人工死産(中期中絶)を勧めるような場合もあるようです。また、十分な情報を医師も持ち合わせていないために、意図せずともマイナスなイメージばかりを妊婦に伝えてしまうことも多くあります。そして私達もそれに対抗できる知識も気力も持ち合わせていないために、人工死産(中期中絶)を決断してしまうこともあるのではないかと思います。これは出生前診断についての知識と理解が、提供側である医療機関やスタッフにも、受け手側の妊婦やパートナーにも、まだ十分に浸透していないことの表れであるのではないでしょうか。

「その時、必要な情報。その時、必要な支援。」を。
私達が望むもの


「おなかの赤ちゃんに何が起こっているのか。そしてそれはどういう意味なのか」
わかったのは診断名だけ。仮に○番目の染色体異常といわれても、身体のどの部分に異常があるといわれても、その症状や重症度にはばらつきがあります。
正確かつ適切な情報を得て決断に至るまで、そして決断後も、その経過を支えてくれるスタッフの存在はとても重要です。
当サイトの非公開コミュニティの趣旨である“経験者同士の交流”でも、確かに私たちは救われますが【その時、必要な情報。その時、必要な支援。】を提供できるのは、医療機関の医師やスタッフなのです。

ほとんどの産婦人科では胎児に異常が発見された場合、紹介状を書いてくれるでしょう。その紹介先として私たちが提案したいのは、単に周産期センターを兼ね備えた大きな医療機関ではなく、遺伝子診療部や遺伝カウンセリングルームなどがある機関であることが望ましいと考えます。カウンセリングは一部の疾患については保険診療が可能ですが、自費診療もあります。料金的には3~5千円程度が相場であるようです。その機関により料金は違ってくるようですので、必ずご自身でご確認ください。



京都大学医学部附属病院遺伝子診療部の藤田潤教授が作成された【いでんネット】には
【遺伝相談施設(カウンセラー)情報】としてデータベースが設置されています。そのデータベースによりご自身で最寄の機関を検索することが可能です。これらの機関には紹介状を持参することが望ましいのですが、もし、医師から紹介状を書いてもらえなかった・あるいは書いてもらえるようなムードではなかったという場合は、まず電話で問い合わせ、事情を話してみてください。決して敷居の高い所ではありません。(今回のリンクの件は藤田教授の許可をいただきました。またこのページ作成について山梨大学大学院医学工学総合研究部 中込さと子教授よりアドバイスをいただきました。)

いでんネット(臨床遺伝医学情報網)


私達の体験から

あわせてご覧いただければ幸いです


当サイトの非公開制コミュニティにてお寄せいただいた体験をこちらでご紹介しています。これから決断をしなければならないご両親に、お役に立てることを願って・・・。
 
ホームお問い合わせ医療者の皆様へ 症例について人工死産体験談非公開制コミュニティ胎児の緩和ケア
リンクサイト運営にご協力くださいもし、赤ちゃんとお別れすることを決断なさったなら

Copyright(c) 2004.07.15 泣いて笑って All Rights Reserved